わきがの手術

剪除法(せんじょほう)

ワキのシワに沿って3~4センチほど切開し、医師が直接目で見ながらわきがの原因のアポクリン腺とエクリン腺をひとつひとつ取り除いていく方法です。

皮膚を切り取るわけではなく、シワに沿って切るので傷跡はさほど目立ちません。
医師が直視しながら汗腺を確実に取り除き、最後に縫合します。剪除法は真皮の下層も削りとることが可能で、アポクリン腺が残らず取れたことを確認できるので取り残しが無く、重度のわきがにも適した手術です。皮膚の切開を伴い医師の技量が問われる手術ですが、熟練した医師が施術を行うことで、確実な効果のある治療法です。また、医院によっては健康保険の適用になるので、事前に確認することも大切です。

吸引法

吸引法で汗腺を吸い出す方法では、アポクリン腺より皮膚の浅い場所に分布するエクリン腺を取り除くことが難しいため、吸引器の皮膚に挿し込むパイプの先に超音波を出す機器を取り付けて、より吸引率を高めた治療法です。

超音波吸引法は、既存の吸引法と異なり熱の力も使うので、アポクリン腺より浅い場所にあるエクリン腺を破壊しやすいことも特徴です。使用する超音波は周波数や出力を適切に調整することで大事な組織には極力傷を付けず、ターゲットとなる汗腺だけを破壊して取り除くことが可能で、術後の合併症が出にくいことがメリットです。
ただ、超音波が強すぎたり強く吸引しすぎてしまうと皮膚がダメージを受ける場合があるので、経験豊富な医師が施術をすることが重要です。

皮下組織削除法

皮下組織削除法は、ワキの下の皮膚のシワにそって1センチほど切開して、特殊な形状の専用器具を皮下へ挿入し、皮膚の裏側から皮膚内の組織を均一に削り取る方法です。

この術式に使われる特殊な器具は、先端に鋭いカミソリ刃とローラーが付いたハサミのような形状をしています。カミソリ刃が付いている側を皮膚切開部から挿入して、ローラー部分を皮膚表面にあてて押さえながら転がすことで、皮下脂肪と真皮を均一の厚さで削り取ります。
この治療法で使われる特殊な器具を使うことによってアポクリン腺だけでなく、エクリン腺や皮脂腺までも除去することが可能で、ワキガ治療だけでなく多汗症の治療にも有効です。
ただ、皮下組織削除法は1つの切開箇所から治療できる範囲が狭いため、ワキの下全体の施術を行うためにはどうしても数カ所の切開が必要なります。このため、術後の傷はある程度目立つ形で残ります。
また、皮膚をかなり薄く削りとることで色素沈着のリスクもあるので、熟練した医師の技術が求められます。

切除法

切除法は以前より一般的に行われてきた治療法で、ワキガの原因となるワキの下の毛が生えた部分の汗腺・皮脂腺・毛根を皮膚ごと取り除く手術法です。

手術の際には局所麻酔、または全身麻酔をもちいて毛の生えている部分の皮膚を長さ15~20センチ・幅3~5センチの範囲で切り取って、切開後に皮膚を縫い縮めます。
アポクリン腺とエクリン腺、皮脂腺を根こそぎ取るので、ニオイを無くす効果は大きいのですが、最後に縫い縮めるのであまり大きな範囲は切除できません。切除できなかった部分にアポクリン腺が残ってしまうこともよくあるとされています。
治療後には脇毛が無くなり、広い範囲で傷跡が残ってしまいます。皮膚を引き寄せて縫い合わせるので治療後にワキの下が引きつったり、運動障害がおきてしまう場合もあります。
また術後の完治までに長い安静期間が必要で、手術の後には2~3週間の入院が必要です。
切除法はリスクを伴うことや、他の治療法も発展し効果が高くなってきているので、現在ではほとんど行われていません。